「ちゃんと生きなきゃ」「間違えたらダメ」
そう思えば思うほど、心がきゅっと硬くなっていませんか。
誰かに迷惑をかけたくない。
誰かに認められたい。
そんなまっすぐな気持ちの奥で、「自分らしさ」が少しずつ見えなくなっていくことがあります。
このお話は、がんばりすぎて心が少し疲れてしまったあなたへ。
「正しく生きること」に縛られた心をやさしくほどいていくヒントを、ミケとハヤモリの対話を通してお届けします。
どうか読みながら、深呼吸をひとつ。
あなたの中の“やさしい声”が、もう一度聞こえてきますように。
「ちゃんと生きよう」とするほど、心が疲れてしまうとき
ミケ:「ねぇハヤモリ。ちゃんと生きようとしてるのにさ、なんか最近、心のほうが疲れちゃってるみたい」
ハヤモリ:「そうだったんだね。それはがんばりすぎてる証拠だよ。“正しく生きなきゃ”って思うほど、苦しくなることがあるんだ」
ミケ:「そうなんだよね。周りの期待に応えようとしてるのに、やりたいこととか自分の本当の声とか、どんどん分からなくなっていくの」
ハヤモリ:「そっか。すごくがんばってきたんだね。人の気持ちをちゃんと大事にしてきたこと、よくわかるよ。でもね、ほんの少し“正しさ”の見方を変えるだけで、心はずっと楽になるんだ」
ミケ:「えっ、どういうこと? それ、知りたい!」
正しさを求めすぎて苦しくなる理由
ミケ:「“間違っちゃいけない”って思うと、なんだか常に緊張してる気がするの」
ハヤモリ:「うん。“正しさ”を求める裏には、“批判されるのが怖い”って気持ちがあるんだよ」
ミケ:「ああ…たしかに。人に注意されたり、否定されたりすると、自分がダメって思っちゃう」
ハヤモリ:「でもね、他人の言葉は、あなたを直接傷つけることはできないんだ」
ミケ:「え? でも、きつい言葉を言われたら、やっぱり傷つくよ?」
ハヤモリ:「それは“言葉”ではなく、“その言葉の意味づけ”に傷ついてるんだよ」
具体例
- 上司から「もう少し丁寧にやってね」と言われて、Aさんは「自分はやっぱりダメなんだ」と落ち込む。
- 同じ言葉を聞いたBさんは、「次はここを直せばいいんだ」と前向きに受け取る。
- 違いは“受け取り方”。つまり、私たちを傷つけるのは「言葉そのもの」ではなく「自分の解釈」なのです。
ミケ:「なるほど…。相手の言葉より、自分の中の“受け止め方”のほうが大事なんだね」
ハヤモリ:「そう。受け止め方をやさしく変えるだけで、心はぐっと軽くなるんだよ」
完璧でいようとするほど、自分を見失う
ミケ:「でもさ、ちゃんとしてないと周りに迷惑かけちゃう気がして…」
ハヤモリ:「それはミケが優しい証拠だね。でも、完璧を目指しすぎると“自然な自分”を押し殺してしまうんだ」
ミケ:「うん…。たしかに、がんばってるのに疲れてる自分がいる」
ハヤモリ:「本当のあなたは、努力で作るものじゃない。手放したときに自然に現れるんだ」
ミケ:「手放す…って、どうすればいいの?」
ハヤモリ:「少しずつでいいんだ。完璧じゃない自分をゆるしてあげよう」
やってみよう!
- 「できない自分」を責めない
- 自分自身に「今日もよくやったね」と声をかけてあげる
- ミスを“学び”として受け取る
ミケ:「なんか、それならできそう。完璧じゃなくてもいいって言われるとホッとするね」
ハヤモリ:「人は、正しさよりもやさしさで育つからね。今まで自分に厳しくしていた分、存分に甘やかしてあげよう!」
「正しさ」よりも「心の声」を信じる生き方
ミケ:「“正しさ”より“やさしさ”かぁ。でも、どうやって心の声を聞けばいいの?」
ハヤモリ:「まずは“今、自分が何を感じているか”に気づくことからだよ」
ミケ:「たとえば?」
ハヤモリ:「“やりたくない”と思ったら、それも大事なサイン。無理して正しい行動を選ばなくていいんだ」
ミケ:「そっか…たしかに“こうしなきゃ”って思うときほど、心が重たくなってる気がする」
ハヤモリ:「それは“他人の正しさ”を生きているからだね。自分の小さな正しさに戻ってみよう」
ポイント
- 「やりたいこと」を少しでもやる
- 「やりたくないこと」は、できる範囲で避ける
- 感情を否定せず、「なぜそう感じるのか?」と静かに問いかける
アレンジ例
- 朝起きたら、心に聞いてみる:「今日は何がしたい?」
- 夜寝る前に、つぶやく:「今日も私らしく生きたね」
ミケ:「うん、なんか心がふわっと軽くなる…。正しくなくても、自分を信じていいんだね」
ハヤモリ:「そう。正しく生きるより、“心安らかに生きる”ことのほうがずっと大事なんだ」
まとめ:今日から始める一歩
ミケ:「今日から、“正しさ”よりも“安らぎ”を選んでみようかな」
ハヤモリ:「いいね。焦らず、比べず、ありのままの流れに身をまかせよう」
ミケ:「うん。努力じゃなく、自然と満ちてくる安らぎを感じたいな」
結び
「正しさ」よりも「やさしさ」を選ぶこと。
それは、怠けることでも、投げ出すことでもありません。
むしろ、自分を責めてきた心をやっと解放してあげられる、いちばん誠実な選択です。
今日から少しずつ、“うまく生きる”より“心がほっとするほう”を選んでみてください。
その一歩が、あなたらしい人生を取り戻す始まりになります。どうか焦らずに。
あなたのペースで、あなたの心の声と一緒に歩いていけますように。

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