自信がなくて不安なあなたへ

~自信がない原因とは~

ある日の夕方のこと

ミケ

「はぁ……なんで私って、こんなに自信がないんだろう」

ハヤモリ

「どうしたんだいミケ。今日はいつもの元気がないね」

ミケ

「うん……。普段は明るくしてるけど、心の中じゃ『私なんてダメだ』って思ってばかり。友達の前でも、仕事でも、どこか不安で、ちゃんと笑えてるかもわからないんだ」

ハヤモリ

「そっか。笑顔の裏で自分を責めちゃってたんだね」

自信のなさの正体

ミケ

「うん……。でもどうしてこんなに自信が持てないんだろう。子どものころからそうだった気もするし」

ハヤモリ

「それはね、『自信がない』というより、『自分にマイナスのイメージを貼りつけてきた』のかもしれないよ」

ミケ

「マイナスのイメージ……?」

ハヤモリ

「うん。例えば、ちょっと失敗したときに『私はダメだ』って思い込んでしまう。人と比べて自分が劣って見えるときに、『どうせ私なんか』と決めつけてしまう。その積み重ねが、“自信のなさ”という影のようになっていくんだ」

ミケ

「……影かぁ。確かに私も、出来事そのものより“ダメ”ってラベルの方を信じちゃってたかも」

・一言めも

「あのときの失敗があるから私はダメだ」と、過去を証拠にして自分を縛ってしまうこと。実はその“解釈のラベル”こそが、自信を奪っているのです。

イメージを書き換える

ハヤモリ

「だから、自信を持つことって“完璧になること”じゃなくて、“貼ってきたラベルを少しずつ書き換えていくこと”なんだ」

ミケ

「書き換える……。どうやって?」

ハヤモリ

「例えば、失敗したときに『やっぱり私はダメ』じゃなくて、『この経験から学べることがある』と意味を変えてみる。うれしいことがあったら、ただ流さずに『私は幸せを感じられる人なんだ』と深く味わって心に刻む。そして、自分に対して『よく頑張ったね』とか『大丈夫だよ』と声をかけてあげる。これを繰り返すと、少しずつイメージは変わっていくよ」

ミケ

「なるほど……。繰り返すことで変わっていくのってなんだか筋トレみたいだね」

ハヤモリ

「その通り。心の筋トレだね。小さな“肯定”を積み重ねることで、心は確実に形を変えていくんだ」

一呼吸置いて考えてみよう!

あなたはこれまでどんな“ダメ”というラベルを自分に貼ってきましたか?

そして今日、そのラベルの一つを“学び”や“強み”に書き換えてみるとしたら、何に変えられるでしょうか。

(例:「作業スピードが遅くて人に迷惑かけてばかりだ」というラベル⇒「作業のスピードが他の人よりゆっくりだからこそ、一つ一つの作業により心をこめることができるんだ」というラベルに貼り換えてみる」

哲学の視点から

ミケ

「でも……なんでそんなに自分を否定しちゃうんだろう」

ハヤモリ

「哲学的に言えば、人は“他人の目”を通して自分を見がちだからだと考えられるね。社会の中で比べられたり、評価されたりするうちに、本来の自分を忘れてしまうんだ」

ミケ

「うん……確かに、人の目を気にしてばかりいるかも」

ハヤモリ

「でも本当は、“存在しているだけで尊い”のが人間なんだよ木や花がただ咲いているだけで美しいように、ミケも、そこにいるだけでかけがえがない。自信って、本当は“結果や評価”にくっつくものじゃなく、“存在そのものへの信頼”から育つんだ」

ミケ

「……存在そのものへの信頼……。なんか、心が少し軽くなる言葉だね」

・一言めも

自信を「何かを達成して得るもの」と思っていませんか?

でも本当は「私はここにいていい」という存在そのものへの信頼こそが、自信の土台なのです。

日常の中でできること

ハヤモリ

「だからこそ、毎日の中でできることは、とてもシンプルなんだ。

1. 失敗や不安を“ダメ”じゃなく“学び”と見つめ直す。

2. うれしい体験を丁寧に味わって心に刻む。

3. 自分に優しい言葉をかける。

これを繰り返していけば、“自信のなさ”は少しずつ和らいでいくよ」

ミケ

「そっか……。大きなことをしなくても、毎日の小さな積み重ねでいいんだね」

ハヤモリ

「そう。川の流れが石を丸くしていくように、心も穏やかに変わっていく。焦らなくていいんだよ」

1分でできるセルフワーク

ハヤモリ:「ところでミケ、ちょっと試してみない?」

ミケ:「なにを?」

ハヤモリ:「“1分セルフワーク”だよ。自信を育む最初の一歩になるから。」

やり方は簡単:

1. 目を閉じて、今日一日を少し思い出す。

2. その中で「小さなよかったこと」を一つ選ぶ。(おいしいお茶を飲めた、誰かと笑えた、空がきれいだった……なんでもOK)

3. その瞬間をもう一度味わいながら、自分にこう言ってみる。

 ――「私は幸せを感じられる人だ」

これだけ。1分もかからないよ。」

ミケ:「……やってみたら、胸の奥がちょっとあったかくなった気がする。こんな小さなことでも、心って動くんだね」

ハヤモリ:「そう。心の灯りは、こうして少しずつ大きくなるんだ」

まとめ ― 自信とは「存在を信じること」

ミケ

「ねぇ、ハヤモリ。今日、少し気づいたことがあるよ」

ハヤモリ

「どんなこと?」

ミケ

「“自信”って、立派なことができるから持てるんじゃなくて、『私はここにいていいんだ』って思えることなんだね」

ハヤモリ

「うん。まさにその通り。存在を信じること――それが一番深い意味での“自信”なんだ」

ミケ

「ありがとう、ハヤモリ。なんだか、心の奥に灯りがともった気がするよ」

ハヤモリ

「その灯りは、ずっとミケの中にあったものだよ。ただ、忘れていただけ。これからも少しずつ思い出していけばいい」

結び

「自信がない」と感じるとき、私たちはつい“自分を変えなければ”と焦ってしまいます。

けれど本当に必要なのは、“自分の存在を信じること”。

小さな肯定を積み重ねること。

日常の中の喜びを味わうこと。

自分に優しい言葉をかけること。

その一歩一歩が、心に静かな安心を育てていきます。

そしてやがて気づくでしょう。

――自信とは「何かを証明する力」ではなく、「ただここにいることを信じる力」なのだ、と。

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