「あの時、もっと頑張っていれば」
「あの選択さえ間違ってなければ」
そんなふうに過去を思い返して、胸がきゅっと痛む夜はありませんか。
後悔は、決して弱さの証ではありません。
それは「もっと幸せに生きたい」と願う、あなたのまっすぐな心の証です。
このお話では、ミケとハヤモリが“過去をやり直したい気持ち”とやさしく向き合いながら、
後悔と仲良く生きるためのヒントを見つけていきます。
「あの頃の自分」も「今の自分」も、どちらも大切にできるように――
どうぞ、心をゆるめながら読んでみてください。
あの頃に戻りたい――湧き上がる“もしも”の気持ち
ミケ:「ねえハヤモリ…わたしさ、この頃ずっと思っちゃうの。高校生の時とか、大学生の時にもっと頑張ってたら、今頃もっとすごいところにいたのかなって」
ハヤモリ:「うん、あるよね。『もしあの時』って気持ち、だれでも湧いてくる」
ミケ:「仕事でミスするとさ、あの頃に戻りたくなる。やり直したいって。…そんなの情けないよね?」
ハヤモリ:「情けなくなんかないよ。そう思えるのは、ミケがちゃんと生きてきた証だから」
ミケ:「でも胸がキュッとするんだ。なんか、取り返しがつかない気がして」
ハヤモリ:「その痛みの奥にはね、ほんとは『今をもっと幸せにしたい』って願いがあるんだよ」
未来はひとつじゃない――“バタフライエフェクト”の視点
ミケ:「やっぱりさ、あの時ちゃんと選べてたら、今はもっとキラキラしてたんじゃないかな?」
ハヤモリ:「そう思うのは自然だよ。でもね、未来って一本じゃないんだ」
ミケ:「え、どういうこと?」
ハヤモリ:「“バタフライエフェクト”って知ってる? 小さな出来事が未来を大きく変えるっていう考え方」
ミケ:「うん!聞いたことある!」
ハヤモリ:「もし少しでも過去が違っていたら、今よりいい未来もあったかもしれない。でも今よりつらい未来だったかもしれない」
ミケ:「そっか…もしかしたら、今のわたしがここにいるって、意外とすごいことなのかもね」
具体例
- 勉強をもっとしてたら → よりいい大学に行けたかもしれない。でも、その分人間関係で苦しんでいたかも
- あの恋を続けていたら → もっと幸せが長続きしたかもしれない。でも、もっと心がすり減っていたかも
- 違う仕事を選んでいたら →もっといい給料で、いい人間関係で、いい仕事ができたかもしれない。でも、 本当に大切な気づきに出会えなかったかも
ミケ:「なんだか、今ここにいる自分って奇跡みたい」
ハヤモリ:「そうだよ。積み重ねた選択の全部が、ミケをここに連れてきたんだ」
今の自分を許すと、過去もやさしくなる
ミケ:「でもさ、後悔ってふっと襲ってくるよ。…やっぱりだめだーって」
ハヤモリ:「そのときはね、『今の自分を許す』って言ってみよう」
ミケ:「許すって苦手なんだよね。できてない自分がもっとイヤになっちゃう」
ハヤモリ:「じゃあ、優しくひとこと言ってみるだけでいい。『そう思うのもわたしだね、ありがとう』って」
ミケ:「…なんだか優しいね」
ハヤモリ:「うん。どんな自分も『受け入れ、認め、ゆるし、愛し、感謝する』。ゆるさなくてもいい。まず“認める”だけで十分」
ミケ:「やさしいね…。完璧じゃなくていいんだ」
(この方法は“まなゆい”を参考にしています。まなゆい)
ステップ
- 後悔した自分に気づく
- 「そう思う自分も大切」と認める
- ゆっくり深呼吸をして「ありがとう」とつぶやく
呼吸と「ありがとう」で今に戻る練習
ミケ:「でもさ、後悔してる時って、どうしても悩みの渦にハマっちゃうの」
ハヤモリ:「そんな時は呼吸を『味わう』んだ」
ミケ:「味わう?」
ハヤモリ:「うん。吸って、吐く。その瞬間だけは、過去も未来もない。今だけがある」
ミケ:「やってみよ…すー…はぁ…。あ、ちょっと落ち着くかも」
ハヤモリ:「そのあと、身近なもの(人でも、物でもいい)に『ありがとう』を言うと、心の方向が変わるよ」
ミケ:「ありがとうって魔法みたいだよね」
ハヤモリ:「そう。今に戻る魔法なんだ」
ポイント
- 呼吸は「戻る場所」にする
- 小さな“ありがとう”が世界を変える
- 完璧にやろうとしなくていい
アレンジ例
- コーヒーを飲む前に「ありがとう」
- 電車に乗る前に深呼吸
ミケ:「なんか、ちょっとずつ未来に進めそう」
ハヤモリ:「ゆっくりでいい。一歩ずつね」
まとめ:今日から始める一歩
ミケ:「…わたし、もう過去を憎まない。ちゃんと生きてきたんだもんね」
ハヤモリ:「うん。その想いがもう、新しい道を歩いてるよ」
ミケ:「今日の一歩は…深呼吸と、ありがとう!」
結び
後悔は、なくすものではなく、抱きしめてあげるもの。
それは、あなたが真剣に生きてきた証であり、
「もっとよく生きたい」という、いのちの願いそのものです。
だからもう、過去を責めなくていい。
あのときのあなたも、今のあなたも、ずっと一生懸命だった。
深呼吸をして、「ありがとう」とつぶやくだけで、
ほんの少し、心は“今”に戻ってきます。
どうか焦らずに。
あなたの歩んできた時間は、どんな形でも美しい。
今日のあなたがここにいること――
それ自体が、もう奇跡なんです。

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