
春の終わり、夕暮れの草原。
仕事で落ち込んだ帰り道、ミケは足取り重く歩いていました。
胸の中には「なんで私ばっかりうまくいかないんだろう」というモヤモヤ。
そんなとき、草原の道端に誰かが座っていることに気づきました。

古びたコートを着て、年季の入った木の棒を地面について、夕日をじっと見つめているカエル。
それがハヤモリでした。
⸻
ミケ:「あの…何してるの?」
ハヤモリ:「今日も綺麗だなぁって思ってね。夕日を見てたんだ。」
ミケ:「えっ、それだけ? なんか、すごく…暇そうだね。」
ハヤモリ:「そうかな? 私にとっては、とても大切な時間なんだよ。」
⸻
ミケは思わず笑ってしまいました。
だって、自分は毎日“何かを頑張らなきゃ”って焦ってばかりだったのに、
このカエルはただ、夕日を見つめて満足そうにしているのです。
話してみると、ハヤモリは旅の途中だと言いました。
若い頃は不安や臆病さを消すために必死に頑張っていたこと、
でもそれで疲れ果て、本当の幸せは“ありのままを認め、感謝すること”だと気づいたこと。
その言葉に、ミケは不思議と胸が温かくなるのを感じました。
それから二人は時々会って話すようになり、やがて一緒に旅をする仲になったのです。
⸻
ミケ:「ねぇ、ハヤモリ、これからも色んなこと教えてよ。」
ハヤモリ:「もちろん。だけど、私は教えるというより、一緒に気づいていきたいんだ。」
そんな二人が綴るブログ。
悩める元気猫ミケと、ゆるく感謝を胸に旅するカエル・ハヤモリが、
あなたに“気づき”と“ほっとする時間”をお届けします。
コメント